車内恋愛。
その後もやはりずっとあの教習車が気になっていた。

そこまで広くない、教習所内では何度もすれ違う。

元教習生だからわかる。
大体どこのコースを通るか。

だから、余計に目で追ってしまうのかな。


「よし、もうそろそろ時間やし、あと一周したら止めよか。いつもの終着点に。」

「わかりました!」


ぐるりと一周し、終着点に向かう。


そのときにもすれ違った。


終着点には順番に並べて止めていく。

久しぶりだけど、きちんと寄せて止められたことに大満足の私。

「よし、いい感じやったな。お疲れさん。また家でも乗ってよ?」

「はい!お付き合いして頂いてありがとうございました!」

「もう言うことなかったわ!」

そうして話しているうちに、前の教習車から人が出てくる。

それは……

旬さんだった。


教習生と話しているからか、後ろの車に乗ったままの私には気付いていない様子。




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