車内恋愛。
私は助手席に座った。

「まずは発着点まで車を移動させますね。」

手際良くエンジンをかける瀬口先生。

「ミラーよし、右よし。」

パパッとやる姿を見て、さすが教官!と思う。
慣れた手つきで運転する瀬口先生の隣にちょこんと座る私。


「はい、じゃあ少し説明してから席変わりましょか。」

「はい。」

「今日は障害物を避けるのと、昨日と同じでカーブをやってもらいますね。」

教本を見て説明をしてくれる。

「では、変わりましょか。」

私は乗り替わった。

「えっと、まずは…シート。」

けっこう前にしないと足が届かない。

「で、ミラーよし。ベルト…よし。」

一つ一つゆっくりと、不安気にする私を「おっけー、おっけー。」と言いながら一緒に確認してくれる。

「で、エンジン…「の前に?」

「え、…っと。」

なんだったっけ。

「まずはここ二つを確認。」
チェンジレバーがパーキングになっているのか、ハンドブレーキが引いたままなこかを確認。
「あ、そうだった!おっけー、で、エンジン。」

「そうそう。」

見守られてるっていうのかな?こういうの。

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