車内恋愛。
ゼミの次の日も教習。
またいつものパターンで3時間。



「森川さん、今日も頑張って下さいね!」
笑顔で明るい柿原さん。
キラーんと左手に光るリングがあることを私は見落としてませんよ?
だって、あの明るい性格で、あの可愛さで、お相手がいないわけがない!

そう考えると、いいなー、と思う。
相手がいることが。


ボヤボヤと考えながら機械にカードを通す。

ー瀬口



「あ、瀬口先生!」
と心の中で言う。

ホッとしたような、嬉しいような気分。


2回連続瀬口先生が担当!

私の悪い癖とか知ってるし、今日は補習ってことだから、余計に安心する。



時間になり、教官達がゾロゾロ出てくる。
どこかな、どこかな。
すでに探してる私。

ーあ、いた!

それだけでも嬉しくなる。

瀬口先生は他の教官と話しながら出てきた。
教官同士も仲良いのかな??


瀬口先生は私の名前を呼ばず、キョロキョロしてる。
他の人に私が隠れちゃってるからなあ、と思って、立つ。

すると、ハッと目が合う。
見つけてもらえた!


「はい、じゃあ今日もお願いします。担当しますね。」
「お願いします!」
「じゃあ原簿もらいますね。」
「はい。」


なんだろな、この安心感。

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