車内恋愛。
「森川さーん。」
「はい!」
「この時間を担当しますね。見極め、です。頑張りましょう。」
「…はい!」

私の隣を瀬口先生が通った。


ーファイト!


そんな声が聞こえたような気がした。

フと振り返ったけど、誰の声かわからなかった。


とにかく私、頑張ります!!


見極めのコースを一周する。
ここでは質問ができる。


そして、見極め本番。

「じゃあ、検定のときみたいに、乗り降りも見せてもらうね。質問はさっきみたいにできないから。降りて、気持ちが整ったら乗って来て。」
「…はい。」

すごく緊張する。

よし。


瀬口先生にいつも言われてたこと。

『乗る前に?』

車の前と後ろの確認。


良し!


見極めがスタートした。


ドキドキ。

左よし、右よし、の確認までもが緊張する。


長いようで、あっという間に終わり、私はエンジンを切り、降りて終了。

「はい、お疲れ様。自己採点は何点くらい?」
「…85点くらい…ですかね。」
「何ができたら満点になる?」
「右折がすぐ内側通れなかったのと、坂道発進で手こずったことです。」
「まあ、まさにそれやね。でも、確認もきちんと出来てたし、見極め…合格です!」
「ありがとうございます…!!」

やった!見極め良好!
先生は良好の方に丸をつけた。


「今日の運転なら確実に大丈夫!だから帰るとき検定の予約して。忘れないうちに。」
「はい!」

「ありがとうございました!」

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