車内恋愛。
「1号車、田中さんと坂口さん。行きましょうか。」

順に呼ばれて行く。

「2号車、大林くん。行きましょうか。」
その人を呼んだ教官の隣には…瀬口先生!
ちらってこっちを見たような気はしたけど…。

そう言えば、2号車ってあの人一人なんだよね。
代わりに後ろに乗ってもらう…って、それが…瀬口先生なのかな??

「3号車、大山くん、森川さん。」
「はい。」

私は運転席の後ろに乗る。

2号車…。
気になっちゃう。


「では、大山くん、お願いします。」

一人目の検定が始まった。


私もドキドキしながら座っている。

あ、2号車…。

すれ違いざまに見えた。
瀬口先生が。


ーファイト!


え、気のせい?

先生の口がそう言ってるように思えた。


「はい、大山くん終わりね。じゃあ、森川さんは降りて待っててくれる?」
「はい。」

私は車から降りて、待つ。

すると、後ろにも車が止まり、見ると2号車。

「あ。」
思わず声が出てた。
私の声に気付いたのか、先生がこっちに来る。

「次…かな?」
「はい。次…です。」
瀬口先生…。

「この前みたいに頑張れば大丈夫。ファイト!」

ーファイト!

やっぱりあれは先生だったの?

「はい!頑張ります!」
不安だけど、私は笑顔で応えた。

すると瀬口先生も笑顔だった。

その顔が好き。



ガチャッ、、

3号車から男の人が出て来た。
「森川さんは外で待っててね。」
検定の教官は私の次に検定をする人を呼びに控え室へ。

いつの間にか瀬口先生はいなくなっていた。

でも、先生からパワーをもらえた。

私、頑張れそう!!

単純な性格で良かった、とこういうときだけ思う。

不安というより、
緊張というより、
さあ、やってやるぞ!

そんな気分。


「さあ、始めましょか。」



「はい。森川未玖、1993年1月17日生まれ、教習生番号はB37541です。コンタクトしてます!」



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