車内恋愛。
「路上慣れてるね。順調、順調。」
「え、そうですか?まだまだ不安ですよ…。」
「1段階のときより、グンと上手くなってるし。これだと2段階は最短で終われそうだな。」
「そうですかね?」
ってことは1段階のときのこと覚えてくれてるってことだよね…??

「うん。次も乗ると思うけど、そこでいけたらあとはカリキュラム通りに進むからさ。あ、次の交差点で左折するよ。」
「あ、はい!」

「ミラーよし、左よし。」
「おっけ、おっけ。」

こうやって私の確認に毎回毎回反応してくれるのが嬉しい。


「もうすぐ七夕だよね。短冊書いた?」
「あ、まだです。先生は書きましたか?」
「うん。教官みんなで書こうってなって書かされたよ。」
「え、じゃあ見つけます!」
「名前書いてないからな〜。見つけられるかな?」
「それは難しいですね…。」

大きな笹の葉が今日から2階ロビーのところにかけられている。

明後日は七夕。

「また時間あったら書いてみたら?」
「そうですね。時間があれば…。」
「まあ、あんなのすぐ書けるよ。あ、ここで確認…。」
「あ、巻き込み…よし。」
「忘れずにね?」
「はい。」


一時間は本当にあっという間。

「教習所に戻りますね〜。」
「はい。」

また、担当してもらえるかな…。



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