車内恋愛。
「もう夏休み?」
「まあ…そうですね。って言っても、普段から授業、週一なので、夏休みになっても変わらないです。」
「あ、そっか。そう言えば、週一だったね。夏休みはどこか行くの?」
「うーん、サークルの同期と旅行ぐらいですかね。花火大会見に行きたいけどな〜とか。」

花火…先生と見に行ったりできたらな。
って無理だよね。

「同期と旅行とかいいじゃん。夏と言えば花火だよな〜。最近花火大会行けてないな。」
「宇治川花火とか、琵琶湖花火とか行って見たいですけどね。まあ、まずはそれまでに免許取りたいですね。」
「まずは免許取ろっか!それから考えてみたらいいかもね。はい、次の交差点で…」
「右折!!」
「はい。おっけー。」

ニコッと笑う瀬口先生の横顔が街頭で照らされて、すごくかっこ良く見えた。

早く免許を取って…でも、、
そうなると卒業する…ってことだよね。


「私、初めは教習所に通い始めても補習ばっかりで、免許なんていつまで経っても取れないんだろうな〜って思ってたんです。でも、教習所に通うのが楽しくて、意外とささーっと進んで。不思議ですね。」
「まあ、森川さんは元々適性も良いし、運転に適してたんじゃないかな。今も何も心配なことはないしね?」
「そうですか??」
「さっきの狭い道だって、きちんと確認して歩行者みつけて譲ってたし、自信持って大丈夫なはず。」

瀬口先生にそう言ってもらうとすごく心強い。


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