車内恋愛。
「よし、教習所に戻りましょか。」
「はい。」

話していると本当に一時間はあっという間。

「なにかわからないこととかある?」
「ん〜ない…です。多分!」
「まあ、また何かあったら聞きに来てくれたら教えれるし。」
「はい!」

先生と目が合い、ドキッとしちゃう。

「……。」
「……。」

目が合ったまま、何も言葉が出ない。

「……良い報告、待ってるから。卒検受かって、免許取れたらその報告待ってるよ。」
「あ、は、はい!もちろんです!瀬口先生に報告しに来ます!」

言い終わってまた先生の顔を見る。

「うん。じゃあ、残りも…頑張って。」
そう言って先生は頭をポンポンとしてくれた。



え、え、え、……!?

「よし、荷物取ろっか。」


私は頭をポンポンとされたことに何が何だかわからず、唖然としてしまった。


「森川…さん?」
「あ、ごめんなさい。ありがとうございます。」

私は鞄を取る。

先生の顔をまともに見れない。

「じゃあ、今日はお疲れ様。」
「ありがとうございました!」

私はペコっとしてから受付に行く階段を登った。
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