紫季と惺
「あ、おはようございます。」


「おはよう。これ作ってくれたの?って、足の痛み、大丈夫?」


「もうほとんど、大丈夫です。料理は、冷蔵庫のものを、適当に使って。一応、お礼って事で。おいしいかどうかわからないけど…。」







 作戦を実行するべく、とりあえず、料理をした。




「おいしいよ。これ」


「本当ですか?良かった〜。」




「おいしい。これ。えっと、お姫様、名前、教えて。」




 惺は、私の作ったものを、食べながら聞いた。




「私ですか?紫季って言います。紫色のむらさきに、季節のき。」




 私は、もってたお箸をお皿の上に置き、答えた。




「紫季って言んだー。みんなから、なんて呼ばれてるの?」


「えっと…、紫季ちゃんって呼ばれてます。」


「じゃ、オレは、むらさきって呼ぼうっと♪」





 いきなりですか?








「あ、オレの名前は、惺(さとる)。」


「惺さん?」




 私は、いつもは言わないような、疑問系で言ってみた。




「はーい。いやー、むらさきを、家につれて帰って良かった。こんなおいしいご飯も作ってくれるし、なんかいい子そうだし。格好も、オレの好みにドンピシャなんだよね。」
< 10 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop