紫季と惺

「え、あ、そうですか。なんかありがとうございます。」




　私は、そう言いながら、軽く笑ってみせた。




　だって、あなたの一応元カノから、いろいろ聞いて、あなた好みにした成果よ！


　と、心の中でつぶやきながら。




「むらさき、微妙に最初とキャラ変わってない？」




　いきなり何を言うのですか！


　あなたは！


　わざと変えてるのよ！






「っ、ごほっ。えっとね、それは…。」


「大丈夫？むらさき？」


「あ、大丈夫だから。」




　私は、慌ててお茶を飲んだ。




「それは…、何？続きをどうぞ。」




　私が、落ち着くのを見計らったようなタイミングで、惺が聞いてきた。


　そんな細かい所、つっこまなくても…汗




「…それはね、そりゃ初めてのよくわからない人には、ああいうつっけんどんな態度、とりますよ。しかも、いきなり自分の家につれてくるし…。」


「ああ、そう言うことか。それは、ごめん。オレの会った女性で、初対面の対応があんな態度の子、初めてだったから。」


「じゃ、私以外の女性は、どうだったの？」


「あー、みんなオレの甘いマスクにいちころで、最初から甘えた感じだったよ。」




　惺は、軽く笑った。