紫季と惺
惺の家2

メアド

「むらさき、食器洗いはいいよー。オレ、やるから。」


「大丈夫です。足の痛みは、本当に、もうほとんど治りましたし、この洗い物が終われば、帰りますね。」


「あ、そうなの?残念…。じゃ、メアド教えてくれる?」


「どうしてですか?」


「あ、ごめん。そんな、警戒しないで。ご飯作ってくれたお礼に、オレが今度奢ろうと…。」


「あ、お礼ですか?いいですよー。」


「お礼だと言って、実は、オレが、またむらさきに会いたいだけなんだけどね。」


「私、気に入られたのですね。」


「そう。そう。気に入られたの。だから教えて。」


「えー、変なことに使わないですか?」


「使わないって。ね!だから教えて?」


「そこまで言うなら、いいですけど…。ちょっと待ってて下さいね。」


「ありがとう!」








「惺さんのメアドも、教えて下さいね。」


「いいよー。」




 食器洗いが終わった私は、惺と、携帯の赤外線機能を使って、お互いのメアドを交換し合ってた。












「今日は、ありがとうございました。」


「こっちこそ、メアドありがとう。」





「では。」

「じゃ。」




 私は、玄関のドアを開けた。


 作戦成功。
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