紫季と惺

連絡

「で、紫季ちゃん、どうだった?」







 あの件からしばらく経った日、森山と私は、あるカフェにいた。






「どうだったって…。とりあえずメアド交換したよ。私のこと、気に入ってくれたみたい。」


「本当?まず、第一段階、成功ね。」




 あんた、第一段階って…。私には、もう五段階ぐらいだよ…。







「で、連絡とかとってるの?」


「うん?あの後、お礼のメール送っただけで、その後、何もないよ。とってない。あの人、私を食事に誘う的なこと言ってたけど、まだ、何もこない。」


「あー、それは、紫季ちゃんからメールくるようにする作戦よ。私も、その作戦にあったわ。」


「それ作戦なの?私、どっちにしても、メール送るつもりないんだけど。」


「えっ、紫季ちゃん!それだったら、だめじゃない!」


「だめ?どうして?もう降りたいよ。」


「だめ!まぁ、先に言っとくわ。最終目標は、この喫茶店、ムーンテラスに連れてくること。それまで、頑張ってね。紫季ちゃん。」


「え゛っ。」


「お願い!」




 森山は、私に向かって手を合わせてきた。




「森山のお願いだから、しょうがないから、最後までやらせて頂きます。」


「ありがとう。」
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