紫季と惺

何がおかしいの

「ごちそうさまでした。」


「どうだった?」




 惺は、私より先に食べ終わっていた。







「おいしかったです。ありがとうございます。って、そんなに人の顔、ジロジロ見ないで下さい。失礼じゃないですか!」


「あ、ごめんね。ジロジロ見たつもりは、なかったんだけどね。紫の食べ方が、あまりにも可愛かったもんでね。」





 私の顔じゃなくて、食べ方なのね。


 ま、いいけどね。




「食べ方ですか?可愛かったですか?」


「うん。可愛かったよ〜!あ、もちろん、顔も可愛かったけどね。」


「そんな///顔も食べ方も、可愛くないですけどね。でも、そう言ってくれて、ありがとうございます。」


「本当に可愛いから!紫ちゃん!」


「ええっと、ありがとうございます。じゃ、会計しましょう!」







 可愛いの、可愛くないのの言い争いっぽくなったので、私は、そそくさと話題を変えようとした。







「はははっ。紫、面白い。」




 惺は、すごい勢いで、笑い出した。




「えっ?私、おかしな事しました?」


「いや。何もしてないよ。ごめんね。」




 惺は、手で目を、擦ってた。




「そんなー、涙が出るほど、おかしな事って…?」
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