紫季と惺
セットテラス

芝居

「惺〜、今日は、ありがとう。セットテラスに連れてきてくれて。」


「いいえ〜。お姫様の言うことなら、何なりと〜。」


「お姫様?えっ?」


「『えっ?』って。紫、そこ、照れなくていいし、わざわざつっこまなくていいから。」


「あ、そうなの?ごめん。」


「謝ることでもないけど…。紫季って、変なところ謝るよな?」


「そうかな?まぁ、良いじゃない?謝っても減るものじゃないし。」


「そうだけど…。」




 惺は、苦笑いした。








 私たちは、その後、しばらく楽しく喋った。







「あ、紫季ちゃん。」




 私は、もういいだろうと思って、森山をここに呼んでた。




「あ、森山。」


「もり…。あ…。」




 惺は、こっちを見て、変な顔をした。




「あ、三弥さん。こんばんは。」


「あ…、紫、友達?」


「うん。友達。惺、どうかした?顔、少し青いよ?」


「う…。」


「三弥さんは、私の元カレなの。」


「そうなの?森山?」


「うん。ね、惺君?」


「う…。」






 沈黙が流れた。









「森山、これで、気が晴れた?」


「えっ?」


「あのね、惺と正式に付き合う事にしたから。」
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