紫季と惺
「何、するんですか!」


「床にじっと座ってる、女の子なんて、見ていられないから、お姫様抱っこで、俺の家に、連れて行こうと。」


「えっ。ここにいるって言ってるのに…。」


「でも、ここで下ろして、またくじかれたら、嫌だからな。」


「(怒)」




 

 私は、惺っていう人に怒りを込めた、言葉にならない、ものを発しながら、惺の、あまりジタバタすると危ない、という忠告にしぶしぶ従い、お姫様抱っこのまま、惺っていう人の家に向かった。





 これが、惺との出会いだった。
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