絶対好きになるもんですか!



次の日。
私と愛はいつものように二人で長い坂を登り、
通学していた。

「あら??」

愛がいきなり呟いた。

「どうしたの?」
「あそこの人だかり…」

目の前には嫌になりそうなほど、女子生徒の人だかりがあった。
他の生徒が通れなくなっている。

「まったく……注意してくるわ」
「うん、気をつけて!」

私は早歩きで坂を登ると、女子生徒に向かって叫んだ。

「こらっ!あなたたち!」

女子生徒たちは私に気づいたようで急いで頭を下げた。

「先輩っ!申し訳ありません!」
「朝から溜まったりして、何事?」

すると女子の間を縫って一人の男子生徒がやってきた。

「おはよう、久しぶり」

馴れ馴れしいその男の顔を見た瞬間、凍りついた。
金髪に青いピアス、青い瞳…そしてイケメン。

「み、瑞畑平汰!?」
「ハァ〜イ♪久しぶりだね、御子田瀬璃奈」

瑞畑平汰。17歳。
私と同じ芸能プロダクション「宇佐見プロダクション」
通称「うさプロ」のアイドルグループ、
ibukiに所属しているリーダー格。
世界的カメラマン葉山雪と瑞畑グループ会長の息子。
そして、私……御子田瀬璃奈の婚約者らしい。

「御子田瀬里奈、どうした?そんなに嬉しいか?」
「嬉しく見えるのなら目が節穴よ!!!」

< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop