絶対好きになるもんですか!
次の日。
私と愛はいつものように二人で長い坂を登り、
通学していた。
「あら??」
愛がいきなり呟いた。
「どうしたの?」
「あそこの人だかり…」
目の前には嫌になりそうなほど、女子生徒の人だかりがあった。
他の生徒が通れなくなっている。
「まったく……注意してくるわ」
「うん、気をつけて!」
私は早歩きで坂を登ると、女子生徒に向かって叫んだ。
「こらっ!あなたたち!」
女子生徒たちは私に気づいたようで急いで頭を下げた。
「先輩っ!申し訳ありません!」
「朝から溜まったりして、何事?」
すると女子の間を縫って一人の男子生徒がやってきた。
「おはよう、久しぶり」
馴れ馴れしいその男の顔を見た瞬間、凍りついた。
金髪に青いピアス、青い瞳…そしてイケメン。
「み、瑞畑平汰!?」
「ハァ〜イ♪久しぶりだね、御子田瀬璃奈」
瑞畑平汰。17歳。
私と同じ芸能プロダクション「宇佐見プロダクション」
通称「うさプロ」のアイドルグループ、
ibukiに所属しているリーダー格。
世界的カメラマン葉山雪と瑞畑グループ会長の息子。
そして、私……御子田瀬璃奈の婚約者らしい。
「御子田瀬里奈、どうした?そんなに嬉しいか?」
「嬉しく見えるのなら目が節穴よ!!!」