強くなりたい。


加藤「……はい!ではHRは終わりです。1時間目の授業の準備をして着席していてくださいね。」

そう言って、加藤先生が出ていく。

1時間目?
そういえば時間割表が配られたっけ。

私はまだ他のみんなよりはるかに綺麗なバッグからファイルを取り出す。

……あったあった、この紙!
月曜日の1時間目は…理科。

あれ?でも、あたしまだ教科書配られてない。
ま、後で先生にいえばいいか。

とりあえず、エレナに頼も。

しえる「エレナちゃん、あたしまだ教科書配られてなくて…見せてくれる?ごめんね。」

私が感じよぉーくそう言うと、エレナはおもむろに眉毛を八の字に曲げた。

エレナ「でっ、で、でも、私の教科書汚いし……!ま、前の人とかの方が……いいかも……。」

だぁかぁらぁ、なんでさっきからそんなにキョドって、嫌がってるの?

しえる「でも前の人だと机くっつけられないから……お願い!」

エレナ「……で、も……………ぁ、う、ん……。いいよ…………ゲホッゲホッ!!」

承諾してくれたエレナが急に咳き込んだ。
< 5 / 10 >

この作品をシェア

pagetop