強くなりたい。

机をくっつけた瞬間、エレナはビクッと体を震わせた。
顔色を窺うと、真っ青だった。

もしかして、ほんとにやばいほどの人見知り?


とりあえず、そっとしとくか。


ガラッ!

前のドアから、20代後半から30代前半くらいの男の先生が入って来た。
顔も悪くない。きっと生徒に人気のある先生だ。
……注意人物1人目だな。


「たかちゃーん!今日、寝癖たってるよー!w」
「きゃははっー!ほんとだー!」
「たかちゃんだっさぁーいww」

教室に入ってきた途端、クラスの女子に囲まれてる。

「こら、たかちゃんじゃないでしょw細川崇先生だろw」

細川崇。

あたしは手帳を取り出して、後ろのほうの余白のページに
『細川崇。女生徒に人気。理科担当。あまり近づかない。』
と書き込んだ。
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