彼のヒーローヴォイス

「怜、連絡、ありがとな、ハルト、いい素材だ。 磨けば化けるぞ、きっと」


「え?!ホントに!? 良かったぁ、私の大事な友達の弟だから…

変なところに行かせたくなくて…」


「そうだな、今、榊プロは、勢いに乗ってるからな… 正解だと思うぞ」


「そうなんだ、すごいね…」


すこし冷たくなったカフェオレを一口のんだ。


「怜、純一とは連絡とってないのか?…」


「あ…うん…とってない…」


「そうか…
な、怜、相談なんだが… お前、オレの仕事、手伝わないか…?」


「え…?ど、どうゆうこと?」


荒井さんの仕事、って、マネージャー…よね? それを?


「今、マネージャーが足りない状態なんだ お前なら、業界の事わかってるし、
なにより、よく気が付くし記憶力もいいからな マネージャー業、おまえにピッタリだとおもうんだが…」


「荒井さん… そんな…私を買い被らないで… 私そんな優秀じゃないわ…
それに…今3年生で就活と卒論準備と、意外と忙しいのよ?私」



「お、そうなのか、今どきの大学生 うまく遊んでるじゃないのか?」



「まさかぁー それは 一部の大学だけよ、私の大学はみんな、医者や弁護士になるため必死だもの…
とにかく、私には、無理よ ごめんなさい 荒井さん」



「あぁ、別にいいさ… だけど、久々にスタジオ見学でもしないか?
ハルトのためにも、ハルトのねえちゃんと来たらいいじゃないのか?」



荒井さんは、痛いところをついてくる…。


「う…ん…。じゃぁ、そのうち…ね…」


そのうち……が、その月の後半に、また荒井さんと会うことになってしまった。
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