彼のヒーローヴォイス

純一を、レストランで見かけた後、
ハルトが、いろいろとさぐりをいれたらしく
その結果をマリアの電話で聞くことになった。


仕事が終わって、マリアへ電話をかけた。


「あ、マリア、連絡ありがとう」


『怜、まず、怜に聞くわ
この報告、聞きたい?聞きたくない?』


そう、マリアが言ってくる、ということは、私にとってあまり歓迎出来ない結果なんだ、と悟った。


「……。うん、もう私は…全てを受け入れる覚悟はできてるから、大丈夫」


『そう…じゃあ、報告する。
リナと、純一、婚約するかしれない』


「そっか……」


もしかしたら…という予想があたっていた。


『でもね、どうやら会社同士の事情があるみたい だから……』


「うん、マリア、教えてくれてありがとう
明日早いからもう寝るわね」


『怜? ひとりで考えこんじゃダメよ、いつでも、連絡しなさいよ!』


「うん、マリアありがと…っう…」


それ以上は、涙で言葉が出なかった。





これで、完全に


純一を諦められる……。


涙を流すのは、今日で終わりにしよう…。






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