ナルシスト彼氏。
自分につっこみを入れていると須臣が、




『・・・・・見てたから。』とぼそりと呟いた。





見てた・・・?



あたしはキョトンとした顔をしていると、須臣が付け足した。




『みゆちゃんが、雨を悲しそうに見てたのを見てた。』






見てたのを見てたって・・・なんてややこしい・・・。





じゃなくて!!



いつ、何の理由で須臣があたしなんかを見てるワケ?!




女子に囲まれててそれどころじゃなかったくせに。





別に腹を立てることじゃないと思うんだけど、なぜが無性に怒りがこみ上げる。




この気持ち・・・何?



「適当なこと言わないでよ。須臣に何が分かるの?!」




自分で思っていたよりも冷たく言い放ってしまった。



『・・・・・。』



須臣からの返事は無い。



当然といえば当然だ。




言い過ぎた・・・かな。



折角、偶然だろうけどあたしのところに来てくれたのに・・・。



素直に嬉しいって言えばよかったのに。



本当、雨の日なんか嫌い。



須臣に八つ当たりしてるって分かってる。





だけど・・・しょうがないよ・・・。



須臣、怒ったかな?


そう思い恐る恐る須臣の顔を見上げる。





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