ナルシスト彼氏。
わわっ。



完全に目が合っちゃった。




須臣の透き通るような瞳からは逃れられないような気がした。




目・・・・・逸らしたらいけないよね・・・?




そう思ったあたしは必死に須臣を見つめていた。





見つめても分かるのは須臣の綺麗な顔立ちだけ・・・。




その表情からは気持ちを読み取れなかった。



見詰め合う時間が凄く長く感じた。



実際はほんの15,6秒なんだけど・・・




ふいに須臣が『はははっ』と微笑んだ。




誰もが引き込まれそうな笑顔で。





「なん・・・で?」




思わず心の声が出る。





あたし、怒らせたんじゃないの?



何で笑ってるの・・・?






あたしはかなり拍子抜けした。



須臣の発言にも。



『俺がさ、転校してきた日もこうやって見つめ合ってたよな。』




そう言うと懐かしそうに微笑む。




だからその笑顔は反則だって・・・。








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