暴虐シンデレラ
…少し休憩するか。
カウンター席に行き、あの女が座っていた席に座る。
ふと見ると、カウンターにZippoが置いてあった。
純金のボディに紅いガーネットの薔薇が埋め込まれていた。
ヒロはこれに気づいてないようだ。
統「なぁ、ヒロ」
ヒ「ん?」
カウンターの中でグラスを拭いていたヒロに話しかける。
統「あの女って、煙草吸うのか?」
ヒ「さっき此処に座っていた子か?
あの子はいつも1本だけ吸って帰るぞ」
統「へぇ」
意外だな。
なんとなく煙草嫌いかと思ってた。
このZippoはたぶんあの女の物。
次会った時にでも返せばいい。
そう思って、Zippoをスーツのポケットに滑りこませた。