K
「じゃあね、せんせー」
「またなー」
「オウ、宿題ちゃんとやれよ。気をつけて帰れよ」
バイトが終わると、既に時間は夜の22時を回っていた。
俺も課題をやらねば。
あの事件があってから、大学は数日閉鎖された。
事件がニュースで報道されるとマスコミや野次馬が校門に押し掛けて、一時は騒然となったらしい。
研究室も立ち入り禁止となり、そこにほとんどの道具や機材があったため研究作業はいったん中止となってしまっていた。
ようやく別の教室に移動した今は、とにかくできることを片っ端からやっていくような感じだ。
9月の中間発表までもう日はない。
授業中は切っていた携帯の電源を入れると、一通メールが入っていた。
TO 洋一
元気?
今日これからひま?
花火大会の日だよ!
みんなでお酒もっていこうよ!
わたし、お弁当つくるよ。
FROM 陽世子