K

メールの文面を読んで、ほっと一息つく。


あれから、警察の取り調べや研究室の移転作業等で忙しくしていてみんなで集まるのはあの日以来だ。


そういえば、夏らしいこともしていない。

卒論をどうにかしなくては、と思う反面陽世子からの誘いは嬉しかった。



行く、と返信を打って俺は近くのコンビニに向かった。








「陽世子」


声をかけると、振り向いたその顔に笑顔が浮かんだ。




「洋一、はやかったね」

「ちょうど、バイトで近かったから」

「そかそか、おつかれさま」



「…それ、いいね」

「ふふ、ありがとう」


陽世子は淡い黄色の浴衣を着ていた。
彼女には柔らかい色がよく似合う。

髪を上げているせいか、いつもより大人っぽい。


女の子は着る服で雰囲気が変わるからすごい。



「螢と沙雪は?」

「沙雪は仕事だって。螢くんは…あ」


陽世子の視線の先に、目立つ人物がいた。

すらりと長身で、この人混みのなかでもすぐにわかった。





「陽世子、おまたせ」

「螢くん、久しぶり」

「香西も」

「おう」








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