K
あまりにあっさりとした物言いに、こちらが唖然とする。
「どうって、大切な友人だよ。わかりきったことだろ、なんだよ今更」
俺と陽世子は昔からずっと一緒にいるせいか、よく知らない人間には付き合っているのかと聞かれることもしばしばある。
でも、そんなんじゃない。
現に、俺に彼女がいた時もあったし、陽世子に彼氏がいた時期もあった。
そのときだって、今まで通りの関係を続けてきている。
これからだってそうだ。
「そう、大切な、ね」
「なんだよ、その含んだ言い方は」
思わずむっとする。
彼女の意図がつかめず苛ついていた。
昔から、この手の質問は好きではなかったし、今更沙雪からこんな話題を持ち出すのは不可解であった。
今まで一度もそんな話をしたことはない。
「怒らないでよ。もう一つだけ質問していい?」
大体こういったときは口論になる。
彼女は直情的であるし、俺自身も子供だ。
しかし、今日の沙雪はどこか違った。
「…いいよ、なんだよ」
「…」
いつになく真剣な表情に、真剣さが伝わる。
そうか、今日はこれを言いに来たのだ。