幸せにしてあげたい
だけど、川嶋は俺の横には来ようとしない。
だいぶ沈黙の時間が続いた。
その沈黙を破ったのは、川嶋だった。
きっと、俺に何をされるのか不安になったんだと思う。
「あの..どこいくんですか?」
「それは着いてからのお楽しみ。」
"一緒に帰ろう"とは言ったものの川嶋の家を知らない。
だから、とりあえず二人で話せる場所に連れて行く。
そうしてたどり着いたのは、川の土手。
ここは、学区の端で同じ中学校の人はあまり通らない。だから、ここに連れて来た。
「はい、これ。」
俺が川嶋に手渡したのは缶ジュース。
「え、いいんですか?」
「もちろん。」
「私にこんなに優しくしてくれた人はじめて...」
「え、そうなの?」
「うん、私..もう死にたいの...」
「死にたいなんて言うなよ!」