幸せにしてあげたい





「彼女のこと思い出しちゃって...」



「彼女いたの?...」



「うん。中2のときな。でも、病気で死んじゃったんだ。」


「えっ...」


「美穂って言って、すごい優しくて明るくて、ちょっと天然で俺にはもったいないやつだった。」



「....................」


川嶋は俺の話を黙って聞いてる。



「美穂は俺が初めて本気で好きになった人だったんだ。だから、目の前で美穂がいなくなるのに何も出来ないのがすごい悔しかった。」



「それで、美穂がが"死にたくない生きたい"って俺宛の手紙に書いてたんだよ。
川嶋が死にたいって言った今日は、その美穂が死ぬほど生きていたかった日なんだよ。」






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