幸せにしてあげたい
「それって、私と付き合ってくれる時は、美穂さんのこと忘れちゃうの!?大好きな彼女さんじゃなかったの?」
梨々香が、今までにない真剣な目で俺を見ながら言ってくる。
その目には、もう涙はなかった。
「忘れないよ。ていうか忘れられるわけないよ。けじめをつけるだけ。」
「けじめ?」
「うん。だから、梨々香には俺のけじめがつくまで待っててほしい。
けじめがついたら、俺から告白するから...」
「うん。いいよ、待ってる!」
笑顔で言ってくれる梨々香を見ると、どことなく美穂に似ていた。
「いつになるかわかんないけど大丈夫?」
「うん、待てるよ!」
梨々香がそう言ったとき、昼休み終了のチャイムが鳴った。