幸せにしてあげたい




それは美穂に告白されたときのこと。



『私と付き合ってください。』



『えっ.....うん、いいよ。』



『え、ほんとに!?』





『え、ちょっと...あの...』



俺がびっくりしたのは、美穂に抱きつかれたから。


『うん。』て頷こうとしたけど、それよりも速く抱きついてきた。


いま抱きつかれてもびっくりしないけど、あの時は女子に抱きつかれたの初めてだったからホントにびっくりした。




『あっごめんなさい。嬉しくなっちゃって..つい...』




その時の美穂の顔が、今の梨々香にそっくり。




告白された真っ暗な塾の自転車置き場でも、よくわかるぐらい赤い顔をしていた。




今の梨々香も、夏の暑い日差しのなかでもよくわかるぐらい赤い顔をしてる。




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