幸せにしてあげたい
「ご結婚おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「毎年、美穂のお墓参りしてくれてるのよね。」
「あっ..はい。」
美穂のご両親は、俺が毎年美穂の命日にお墓参りしていることに気づいていたんだ。
初めて美穂のお墓に行ったときは、美穂のお母さんに"行く"と伝えたけど、その次の年からは伝えていなかった。
きっと、俺のことは忘れてると思ってた。
だから、招待状が返ってきたときはびっくりした。
"出席"に丸がついているのを見たときは、さらにびっくりした。
「紫苑とカーネーションを置いていっているのが、柳瀬くんよね。」
「はい、そうです。」
「毎年美穂に会いにきてくれてありがとう。」