幸せにしてあげたい
「ありがとう!」
恥ずかしそうにしながらも、笑顔だった。
「ねえ、美穂さん来てくれてるかな?」
「えっ...」
梨々香のその言葉に驚いてしまった。
「どうしたの?」
「なあ、梨々香って美穂に嫉妬しないの?...」
いままでずっと、心のどこかで疑問に思ってたことを聞いてみた。
梨々香は、口には出さないけれど、どこかで嫌な思いをしているんじゃないかと思ってた。
自分とはちがう女の話をされたら、嫉妬ぐらいはするはず...
「う〜ん...嫉妬はしてないよ。美穂さんは、達也くんにとって大切な人って知ってるから。
それに私に対する好きと美穂さんに対する好きってちがうでしょ?ちゃんと分かってるもん。」
「そっか、ならよかった。」
梨々香の気持ちが聞けてよかった。
十年前からのもやもやした気持ちがやっとはれた。
梨々香はホントに優しいやつだ...