云えないから。

白石がネタバレとばかりに、ドヤ顔した。
「てか、おまえらもだろ！」

和泉 が、含み笑いを浮かべて言った。
菫鈴達は、揃って驚きの声をあげた。

昂明高校というのは、全国でも有数の進学校であり、かなりハイレベルな高校だった。
ちなみに、桜陰高校の近所にあるが、菫鈴達は、昂明にこんなに垢抜けた人達がいることを知らなかった。

「昂明で珍しいタイプ？」

エリート好きな眞子は、途端に興味津々だ。

「二極化かな？ま、俺らみたいなのは、寮生か…チャリとか乗って駅まで行くかかな？
よく見かけてるのは、バスとかじゃねぇの？」

得意気に青山は言う。

「すご…。ごめん、じゃあ気のせい。
私、昂明には、知り合いは…

菫鈴は、知り合いは居たことを急に思い出した。
菫鈴達より、一つ下の学年だし、あまり垢抜けた感じのタイプではなかったが、菫鈴を気に入ってると、人伝いに聞いたことがあった。

「元カレ？」

和泉 は、ズバリとばかりに鋭く割り込んだ。

菫鈴は、大きく頭と手を振った。
すると、和泉 は吹き出した。
そぅやって、話をしていくうちに、菫鈴は、感じていった。
菫鈴は、本当に惚れやすいタイプで、惹かれそうな予感がしていた。

「菫鈴ちゃんって呼んでいい？」

タイプな顔ではないのに…なんとなく、和泉は菫鈴の心を弾ませていた。

「じゃー私はタッ君て呼ぶね！」

ふざけたくて、菫鈴は幼稚なあだ名を付けた。

「え、まぁいーけど。
ところでさ、菫鈴ちゃん彼氏いる？」

いない…と答えようか一瞬迷って、うなづいた。そして、横から眞子が口を挟んだ。

「25歳も上のダーリンなんだよねー？」

「はぁー⁉︎マジ⁉︎」

和泉は、かなりビックリしていた。
和泉は、菫鈴が普通に見えていたが、急に何だかものすごく魅力がある気がしてきた。
18歳が43歳を落とすなんて、興味がありすぎだった。