云えないから。
初めての…

電話とメール

2月22日
これが、卓也と菫鈴の付き合い出した記念日になった。

翌日、二人はそれぞれ、このことについて話すことになったが…

卓也の方は、青山に話していた。

「はぁ?マジかよ。」

青山は、呆れた顔をした。

「まぁ、あっちにとっては、俺は2番だし。だから、俺も本命作っても文句ないだろうしね!」

「それにしても、なんで菫鈴ちゃん?」

青山は、菫鈴には構う価値が見出せないでいた。

「…ま、特に意味ないかも。」

「ふぅーん。」

卓也は、とにかく何故か菫鈴がほっとけなかったし、気になるのだが、ここまでするほど好きかと言われると、答えられないし、友人の評価がイマイチなことで、恥ずかしくもあったのだった。

一方、菫鈴は、眞子に相談していた。

「二股みたいになったよね?」

「てか、二股でしょ?」

「ダメだよね!こんなの。」

「タッ君がいいって言うなら、いいんじゃない?菫鈴の性格上、考えちゃうんだろうけど。」

菫鈴は、二股になったことで悩んでいた。

そして、その夜、また胸のうちを卓也に告げた。

「やっぱり、すごく悪い気になるから…

「そんな重く考えんなって。」

卓也は、軽く笑いとばした。

「でも…。そう、私って本当重いから、嫌がられちゃうんだよね。」

卓也が“重い”というフレーズを使ったので、菫鈴はますます気落ちした。

「俺は力持ちだから、大丈夫!」

次々浮かぶ菫鈴の負の考えを、卓也は意図も簡単に取り除く。

「重すぎてタッ君が潰されちゃうかも。」

「それならそれで、問題なし!
菫鈴が無傷ならいいじゃん?
先々の約束は出来ないけど、今はそう思ってるから、心配すんなって。」

こんな風に言ってくれる存在がどれだけ貴重なことか…。
菫鈴の気持ちのベクトルは、完全に卓也に向かい出していた。
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