云えないから。
菫鈴は、その日から、高瀬に惹かれ出した。
教習所では高瀬が指導員なので、いつもピッタリと隣にいたし、菫鈴が自惚れるのも無理はないというほど、高瀬は菫鈴を明らかに贔屓していて、どの生徒より優先して同乗をしていた。

菫鈴は、初めての感覚に陥っていった。
今まで、彼氏が欲しい。とか、誰かの特別な存在になりたいとか、手をつなぎたい、ギュってされたい、kissしたい。
と思うことは沢山あった。
でも、エッチしたいだなんて、そんな気持ちになることはなかった。

なのに、高瀬を見ると、ググッとくるものがあった。
高瀬は、同年代の男にはない、セクシーさがあった。

こうなると、菫鈴の性格上、どーしても気持ちを告げたくなるし、手に入れたくなる。

ちょうど、好都合にも、今月はバレンタインがある。
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