云えないから。
菫鈴は、バレンタインに告白しようと考えていた。
色々と試行錯誤して、バレンタイン当日は、行きのバスで助手席に座れるようにした。
そして、皆が降りたあと、高瀬にきりだした。

「先生っ!
すごく好きなの。
二番でも、三番でもいいから付きあって下さい!
お願い!お願い!お願い‼︎」

必死だった。
とにかく、願い倒した。
それは、ダメもとだった。

「うーん…じゃあー…付きあってみるか?」

「えー!ほんと⁉︎
うん!うん!先生、ありがとう!」

この時から、高瀬は彼氏となった。
しかも、菫鈴の人生において、最初の彼だった。
菫鈴は18歳で、高瀬は43歳だった。
年の差なんて気にならない程、大人の魅力がある高瀬にベタ惚れで、高瀬への恋心が、もしかして、いつか消えることがあったら…と思うと泣けてくるほど、高瀬が好きだった。
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