云えないから。
結局、その夜も高瀬からの電話はなかった。

菫鈴は、片時も携帯を手放すことも出来ず、1分1分、携帯を確認した。
何度もメールを問い合わせたりして待った。
堪えきれずに、とうとう高瀬に電話をかけてしまった。

…電源すら入っていない。

両想いじゃないことを痛感する毎日だ。

しばらく、教習所に行くのをやめようと菫鈴は思った。
そしたら、高瀬も心配をしてくれるかもしれない。
そう考えたりした。

菫鈴は片想いじゃなくなった日から、高瀬のことを純粋に好きだと思う気持ちより、彼女としての存在を気にし出した。

高瀬からの電話、無いと分かっていても、夜中期待してしまって、全く寝れなかった。

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