言えない言葉は胸を焦がす。(K)
From美咲




暗闇の中、街灯が少ないこの街にシトシトと黒い雨が降る。もどりたい。あの頃に。雨を見ると体に刺すようなさみしさで覆われる、お前になぜか異常に会いたい...過去の優しいお前に。できれば、中学生時代に戻りたい...猿古彦...さるひこ...。ずっと隣にいて、そばにいて。俺を一人にするなよ、馬鹿ヤロォー....はー寒い...、寒い、身体に突き刺さっている切ない気持ちが痛い。寒さの原因は雨じゃなくてこのやりきれない気持ちの原因はたぶん全部猿古彦のせい。いま、お前はどこにいるんだ?また日向ってやつと仲良くしてるのかな...猿、会いたい。でも。でも、お前にはこの言葉は一生言えない...。そして、雨の日にお前のぬくもりを感じることは、ないんだ。これからも...きっとない。



< 3 / 4 >

この作品をシェア

pagetop