強がりあいっこ。


「ぐふっ」



急に大輔くんの厚い胸板に顔を押し付けられたもんだから

私は変な声を出して潰れた。

鼻折れる…



わたわたする私なんか無視して

大輔くんは意地悪そうな声で言った。



「きたきた」



うあー!

この人ずっとこうして私が抱きつくのを待ってたんかい!!


このやろー!


無視された上にはめられたことに気がついた私は

ジタバタと暴れて反抗した。



けど、がっちりした大輔くんの腕には全然敵わない。



「ははっ


ごめんごめん」



やっとのことで私を解放した大輔くんは

ほんとのほんとに楽しそうにそう言った。


「もー!」



だけど、

普段の涼しげな表情からは想像できない

その一瞬のあどけない顔が
もうなんだかキュンとしちゃって。



怒りつつも
思いっきり見とれてる私を

また大輔くんは笑った。

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