強がりあいっこ。
今度はちゃんと私を見つめる大輔くん。
狭いソファの上で隣にいるから
見つめられるととっても近く思える。
むーっと拗ねたままでいた私をしばらく見つめていた大輔くんは
無言で私の手を取って
自分の胸に再び私を引き寄せた。
普段はどっちかっていうとツンツンだし
ベタベタなんて全然しない大輔くんのこの行動に
私は拗ねていたことも忘れ
大輔くんの腕の中で
ただドキドキしていた。
「…奈々」
優しく呼ばれ、顔をあげれば、
ソファで向かい合ったようにまた大輔くんと見つめ合う。
大輔くんの
眼鏡越しの真っ直ぐな瞳に見つめられて、
瞳に急に時が止まった感じがした。