強がりあいっこ。


1人でふとそんなことを思って、

ふいのキスに緩んだ私の顔をみた大輔くんは

また意地悪そうに、

でも優しく微笑んで言った。



「可愛い」



…え??

今なんと??



まさかの大輔くんからの貴重なお言葉。



「い、いい、今なんて?!」

これはもう一度ちゃんと聞いておかなければ。

必死に聞けば、

せっかくそこまでいい感じの雰囲気だったのに


「さて。」



大輔くんはパッと切り替えたかのように座り直して

また本を手に取り始めた。


私の言葉はまた完璧無視である。



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