強がりあいっこ。
…大輔side.
夜勤明けの今日。
早起きは苦手じゃないけど、
さすがに疲れて熟睡していたみたいだ。
「大輔くん、起きてーっ」
気づくと、奈々が必死に俺を揺さぶって起こそうとしていた。
奈々は俺の妻。
背は低くはないし、
ひょろひょろしてるわけでもないんだけど、
すらっとした小柄な体。
これでイベント設営スタッフという、
ちょっと力仕事もありそうな仕事をしているのだから、
大したものだと思う。
俺を必死に起こそうとする奈々が
実は可愛くて。
もうちょっとだらだらしていようかとも思ったけど、
今日は朝から仕事が溜まっている。
さっさと起きなくては。
「ありがとう。」
奈々の頬をぽんぽん、と優しく触れてやる。
そうすると、奈々は嬉しそうにほんわかした顔をした。
その無防備ににんまりとした表情を見て
俺は身支度に取り掛かった。