神様なんて、大嫌いだ。
「あの、渡辺真由さんですか?」

不意に後ろから声をかけられた。


「はぃ…」

涙のせいで声が弱々しかった。

「これ、ーーくんから預かった手紙です。
読んであげてください。」


渡されたのは一通の手紙。
彼の優しい字で

【 渡辺真由様へ】


って書かれてる。



「私はーー君の看護士だった。鈴木です。

彼が、彼が死ぬ前日にこの写真の女の子にその手紙を渡して欲しいと。」

そう言いながら出したのは、私の笑顔の写真。


まだ持っててくれたんだね。
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