【短編】七夕物語~遊び人との恋~
私がふてくされてるのを見て彼は、「えっ、なんで?」とあたふたしてた。
まぁ、この動揺具合に免じて許してあげよう。
「なんでもないよ。私も、同じことをお願いしたよ」
まだ、私がふてくされた理由を探っている彼に向かって笑顔で言うと、「そっか」と素っ気ない返事の割りに嬉しそうな表情をしていた。
その表情を見ていると、急に「あれ?」と眉をひそめて考え始めた。
どうしたの?と聞く前に、
「俺、大切なことを言い忘れてた!」
と立ち止まって言った。