【短編】七夕物語~遊び人との恋~
「ちょっと、一人仕事で遅れるんやけど、先に乾杯しておこうか」
「そうやね」
坂口さんと木村先輩が話を進めていた。全く興味が湧かないまま合コンが始まった。
「では、今日は七夕ってことで、運命の出会いに巡り逢えることを願いまして・・・カンパイ!」
くさすぎる・・・・・・。
と思ったのは私だけではなかったようで、坂口さんはみんなに冷やかされながらも乾杯をした。
帰りたい・・・・・・。
私のやる気のなさが伝わったのか、隣の男性――確か、山田さん――が「嫌々来た?」と聞いて来た。
「ううん。違います・・・」
ここで『はい』なんて言ったら、彼は盛り下がるのが目に見えていたので、私は大人の対応をしておいた。
まぁ、『大人の対応』といっても、つまらないのが態度に出てる時点で、大人の対応なんてできてないんやろうけど・・・。
そんな私達の会話を聞いていた木村先輩が余計なことを言い出した。