殺人鬼械の痛み
「……そういえば、今日歩いてて電柱に頭をぶつけたんだけど、見た事もない観覧車が回っていて、……本当に何処なんだろう……?」
それを聞いた浩平は疑問と不安を抱いて、振り返って春奈を見つめる。
「ぶつけて、観覧車? どういう事?」
春奈は自分の中でも解消出来てない疑問でも、考え考え、浩平に説明する。
「何だろう……? 頭ぶつけて、行った事も見た事も無い観覧車が回ってる光景が、頭に浮かんできて……」
「観覧車……。春奈、二度と頭をぶつけないようにしなさい! 良いね?」
春奈の話を聞いた浩平は、何かに気付いたようで、春奈に強く命令する。
春奈は、浩平の命令の勢いに少し怯えながら、何とか返事をした。
「わ、……分かったよ」
浩平は、その不安に、可能性に、嫌な予感が頭をよぎった。
その後、浩平は春奈が寝付くのを待って、そっと春奈の部屋に入ってきた。
浩平は春奈の後頭部から、プラスドライバーを使って、小さなチップを取り出した。
そのまま浩平は、研究室に戻り、パソコンを使って春奈のデータを確認し始めた。
浩平の嫌な予感は、見事なまでに的中した。
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