殺人鬼械の痛み
2029,10,23
文化祭当日を迎えた。
外部からも客を招き入れた校内は賑わい、多くの生徒達や客達が、談笑しながら思い思いに展示物を見て回っていた。
しかしその中で、春奈は一人だけで展示物を見て回っていた。
突然、春奈の脳内に、行った事も無い××遊園地が、多くの親子連れで賑わっている光景が浮かんだ。
見た事も行った事も無い遊園地の光景が、再び頭に浮かんだ事を不思議に思った春奈は、校内で賑わう生徒達や客達を見た。
春奈がどんなに一人で考えてみても、××遊園地の光景が頭にたびたび浮かぶ理由は、春奈にはまだ分からない。
その日の放課後。文化祭の騒ぎは収まり、校内では文化祭の片付けをする生徒達だけが残っていた。
サッカー部として体育館の片付けを割り振られた翼は、他のサッカー部員と一緒に、体育館の後片付けをしていた。
床に敷いていたマットを一枚、他の部員と協力しながら上手く巻いて片付けた翼は、大きく伸びをする。
深呼吸して、少し気を抜いた翼の耳に、とんでもない会話が聞こえてきた。
「……そういや最近、この学校の近所で、昔の連続殺人犯がたびたび目撃されてるらしいよ」
「マジで? 超怖いじゃん」
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