その恋愛は、恋愛ですか?
 きっと、やましいことは何もなかったって自信があるから、私を安心させようと思ってわざとこの話題を切り出してくれたんだ……とは思うけど。

 

 あー。


 だめだ、ほんと。


 我ながらこんなに嫉妬深くて、疑り深い女だったなんて思ってもみなかった。


 ちょっと寂しくて、かまってほしいだけなのにね。


 ほんと、自分が嫌になる。




 うん。彼を信じよう。




 ―――でも、今回は辛いなぁ。


 彼はひとしきり田辺さんから聞いた愚痴について語ると、「疲れた」と言い残してベッドに横たわった。


 私は、しばらく悩んだ後で、彼を起こさないようにそっと同じベッドにもぐりこむと、少しだけ触れている背中から感じる温もりだけを頼りにして、眠りについた。
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