その恋愛は、恋愛ですか?
 田辺さんの家に泊まったというあの日から、彼はサークルのある日は全くアパートに帰ってこなくなってしまっていた。


 土曜の昼に出て行って、帰ってくるのは決まって日曜の昼前。



 「サークル仲間と夜景を見に行ってた」「サークル仲間と県外までドライブにいってた」「サークル仲間と―――」



 彼は事あるごとに、魔法の呪文のようにサークルと唱える。


 私はついに我慢しきれなくなって、ある土曜の夜に彼にチャットを送ってしまった。



 「今どこにいますか? いつごろ帰ってきますか?」



 既読はついた。けれど返信はなかった。


 不安になった私は二通目を送る。


 けれど、いくら待ってみても今度は既読すらつかなかった。


 そしてつい、三通目を送ってしまった。



 『本当にサークル?』と。



 完全にウザい女ですよね。


 わかってる。


 けど、送らずにはいられなかったんです。


 結局、合計で5回も、チャットを送信してしまった。


 その翌朝は案の定、口論になった。
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