その恋愛は、恋愛ですか?
「さて、今日はもう寝るかな。あんたはそこの和室使いな。シャワーや洗面所のメイク落としも勝手に使っていいから」



 葉子先輩はそう言って立ち上がると、天井に届きそうな勢いで両手をあげて背伸びをした。



「あっ、はい。今日はありがとうございました」



 私が頭を下げると、先輩は「あんたも早く寝なよ。独りで眠れなかったら私のベッドにおいで」といって、ダイニングを出た。


 不覚にもちょっとだけときめいてしまいました。




 そういえば、恋次さんは先輩のことを仕事仲間だっていっていたけれど、恋次さんの本職って探偵さんなんだよね?


 どういうことなんだろう……。


 うーん、気になる。



 でも今日は流石にもう眠い。


 メイクはコットンで落として寝てしまおう。






 私は手早く顔を拭くと、和室に敷いてあった布団に横になった。



 ―――ケイちゃん、私はケイちゃんを信じることにするよ。


 明日はちょっとだけ、心配させちゃうかもだけれど、きっとこれを乗り越えられたら、もっともっとお互いに分かり合えるよね。


 結婚したら、今日ここに泊まっていることもきっと笑い話になってる。


 そうだ、結婚式には絶対、葉子先輩にも来てもらおう。


 あー、でも先輩が来たら主役の座を奪われちゃいそう。



 あと、ウエディングドレスのためにダイエットもしておかなきゃだよねっ。


 今日は飲んじゃったけど、明日から本気だそう。




 ああ。楽しみだなぁ、結婚式。


 










 ――――助けて、ケイちゃん
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